身近な車軸藻のはなし...田んぼのシャジクモ

残念なことではありますが 「車軸藻」 はあまり身近なものではありません (水中にいて泥がついていることが多い、食べものでもない、花も咲かない・・・・・関心をひく要素がほとんどない?)。  なんとか目にすることがあるのは高校生物の教科書の中でしょうか。 「原形質流動 (細胞質流動)」 や 「浸透現象」 の項目で実験材料として紹介されていることがあります (同じ項目でよく出てくる水草の 「オオカナダモ」 と間違えないで下さいね)。 分類の項目で、「陸上植物の先祖かもしれない」 なんて紹介されているのがいちばん華やかな扱いかもしれません。 では身近なところにいないかというと、さりげなくひそんでいる所があります。 それは 「田んぼ」 です。 車軸藻類の中で代表的な種の一つ、その名も 「シャジクモ」 (まぎらわしくてすみません)、この種は湖沼にもそして 「田んぼ」 にも生えるのです。 代表的な 「水田雑草」 の一つで、最近では農薬や除草剤の影響で目にすることが少なくなってきたところもあるようですが、繁茂すると米の収穫量に大きく響くほどの害がでるときもあるそうです。  春、田んぼに水が入ると土に含まれる卵胞子から発芽して育つので、6月後半頃、梅雨の晴れ間にでものぞいてみてはいかがでしょう。 見慣れてくると田んぼや休耕田にすむ他の車軸藻類も見つかるかもしれませんし、田んぼの脇のみぞ、ため池などものぞくとまた別の種類がいるかもしれません。             (森嶋・佐野・宮地)

paddy-field

左: 6月半ば、浅く水を張った水田 (徳島県)。 稲株の間の緑色がシャジクモ,  右: シャジクモ拡大

ため池の車軸藻

こちらはため池 (香川県、8月)。 改修されたため池でも昔車軸藻が生息していた自然の浅瀬が残され、水管理が行われているため池では、まだ多種の車軸藻が繁茂していました。           (笠井)

reservoir

左: 写真の右手前の沿岸部に黒っぽく見えるのが車軸藻,
右上: 沿岸部に繁茂していたイトシャジクモ類,
右下: ハデフラスコモ

注意!!

水田は農家の方々の大切な生産の場です。 出来るだけ所有者にことわる、畦を荒らさない、など基本的なマナーに注意して見せていただきましょう。 ため池は水田と違ってかなり危険な場所ですので、一人では行かない、未成年の人は必ず大人と行くなどの注意が必要です。 また、ため池などをみるのは夏のおわりから秋の方がよいでしょう。