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1. ストック液と培地の作り方

1.1. ストック液

培地は一般に多量栄養素、微量金属、およびビタミン類から成る。これらの諸成分のストック液を作製しておくと、培地作成が簡便になる。これらのうち微量金属やビタミン類のストック液の濃度は非常に低いので、まず、秤量しやすい、より高濃度の液を作製し、それを順次希釈してストック液を作製する必要がある。以下、各々についてストック液の濃度と作り方について述べる。

1.1.1 多量栄養素
各栄養素につき、10mg/mLの濃度のストック液を別々に作製し、冷蔵庫(5℃)で保管する。

1.1.2. 微量金属
各種のストック液として別々に作製され保管される場合と、いくつかの金属溶液を混合した混液で保管される場合がある。

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1.1.3. ビタミン類
ビタミンB12、ビオチン、チアミンの3種のビタミンだけで多くの藻類が増殖するので、殆どの培地はこれら3種のビタミン類だけが添加されている。しかし、培地によっては、他のビタミン類が添加されている場合もある。

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1.2. 培地

培地は、合成培地と強化培地に大別される。すべての淡水藻類や一部の海産藻類は合成培地で、ほとんどの海産藻類は強化培地で保存されている。ほとんどの培地は、試験管等に分注した後オートクレーブ滅菌して使用するが、濾過滅菌しなければならない培地もある。

1.2.1. 淡水藻類用合成培地

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1.2.2. 海産藻類用合成培地

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1.2.3. 海産藻類用栄養塩強化培地

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1.2.4. 濾過滅菌
MNK培地は濾過滅菌をして使用している。オートクレーブ滅菌(121℃、20min)したフィルターセット(ミリポアフィルター0.22µm)を用いて濾過滅菌する。濾過滅菌された培地は、滅菌シリンジや滅菌した分注器を用いて、あらかじめ滅菌された試験管に10mLずつ分注する。分注は無菌室で行う。

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1.2.5. 寒天斜面培地
通常寒天は1.5%の濃度で滅菌する前に液体培地に加える。

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1.2.6. 原生動物用培地
培地には、餌となるバクテリアを増殖させるための有機物が含まれている。穀類を添加する培地は、予め、小麦や米をシャーレなどに入れ、乾熱滅菌(150℃、30min) し、冷蔵保存したものを、使用直前に液体培地10mLに対して1粒添加する。

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1.2.7. シャジクモ類用培地

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2. 培地リスト

Media list 参照。

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3. 継代培養の方法

3.1. 微細藻類、原生動物、淡水産紅藻

株は、ねじ口試験管に培養された状態で送付される。株を受け取ったら、キャップを緩め、保存株データに示された培養条件に合った適当な場所に保管する。株を維持するには、以下の方法で植え継ぎ、培養を行う。なお、培地は株を受け取る前に作成しておく。

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3.2. シャジクモ類

シャジクモ類株は、藻体の一部を切り取った状態で送付される。株を受け取ったら、速やかに以下の方法に従って藻体を新鮮な培地へ植え込む。

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4.凍結保存法

NIESコレクションでの凍結保存は、プログラムフリーザーを用いて徐々に-40℃まで下げた後、液体窒素で-196℃まで急速凍結させる二段階凍結法を用いて行っている。シアノバクテリアの多くの株、緑藻と単細胞性紅藻の一部の株、および大型の淡水産紅藻について、現在本施設で採用している凍結方法の概要を紹介する。また、微細藻類の凍結法についてはMori et al.(2002)および森(2007)に詳細な説明がある。

引用文献
Mori, F., Erata, M. & Watanabe, M. M. 2002 Cryopreservation of cyanobacteria
       green algae in the NIES-Collection. Microbiol. Cult. Coll. 18:45-55.
森史 2007 微細藻類の凍結保存法. 日本微生物資源学会誌 23: 89-93.

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4.1. 微細藻類の凍結保存

4.1.1. 準備するもの
i) 細胞懸濁液:対数増殖期終期から定常期初期の細胞。
ii) 培地:通常当該株の培養に用いている、滅菌済みの培地。
iii) 凍結保護剤:シアノバクテリアの凍結保存には、適当な培地で希釈した6%ジメチルスルホキシド (DMSO)を用意する。緑藻および紅藻には10%DMSOを用いる。これらは最終濃度の2倍の濃度である。DMSOはMillex-LGフィルターで濾過滅菌しておく。
iv) 器具および機器

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4.1.2. 凍結手順
i) 滅菌した器具を用い、ii)からv)の操作はクリーンベンチで行う。
ii) 滅菌した培地で最終濃度の2倍になるよう希釈した凍結保護剤を、氷上で冷やしておく。
iii) あらかじめ株番号等をラベルした2mLクライオチューブに細胞懸濁液(対数期終期から定常期初期の細胞)0.5mLを分注する。
iv) 冷やしてあった凍結保護剤0.5mLを加え、クライオチューブを振って混合する。
v) 室温に15分間静置する。
vi) プログラムフリーザーにクライオチューブをセットし、毎分-1℃の冷却速度で-40℃まで冷却する(下図 9)。

vii) プログラムフリーザー内(-40℃)で15分間保持する。
viii) クライオチューブをプログラムフリーザーから速やかに取り出し、デュワー瓶に入れた液体窒素中に投入する(下図 10)。

ix) 1時間後、クライオチューブをストレージボックスに詰めてラックに収納し、液体窒素保存槽(気相)内に保管する(下図 11)。

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4.1.3. 解凍手順
i) 恒温槽を40℃に設定し、準備しておく。
ii) 恒温槽中にて、クライオチューブ内の氷晶が完全に消えるまで手でよく振り、融解する(下図 12)。

iii) クリーンベンチで、解凍した細胞懸濁液を新しい液体培地の入った試験管に移してよく攪拌し、通常培養より暗めの光条件で数日間培養し(株によって異なる)、その後通常の培養条件に移す。

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4.2. 淡水産紅藻の凍結保存

4.2.1. 準備するもの
i) 細胞培養液:植え替え後2週間以上経った藻体。但し藻体が大きい場合は、ピンセットおよびハサミを使って細かく裁断し、2週間以上培養する。
ii) 培地: Bold 3N培地
iii) 凍結保護剤:チスジノリ(Thorea okadae )、フトチスジノリ(T. hispida )およびオキチモズク(Nemalionopsis tortuosa )には40% DMSOを用い、オキチモズクには30%メタノールを使用する。これらは最終濃度の2倍の濃度である。DMSOおよびメタノールはMillex-LGフィルターで濾過滅菌し、滅菌したBold 3N で希釈してある。
iv) 器具および機器:微細藻類の場合と同様。

4.2.2. 凍結手順
i) 滅菌した器具を用い、ii)からiv)の操作はクリーンベンチで行う。
ii) Bold 3N培地でDMSOを40%、メタノールを30%に希釈し、氷上で冷やしておく。
iii) 2 mLクライオチューブに細胞培養液0.8 mLを分注する。
iv) iii)へ40%DMSOまたは30%メタノールを0.8 mLずつ加え、クライオチューブを振って混合する。DMSOを加えた場合は、室温に15分間静置する。
v) 4.1.2. vi)からix)と同じ手順で凍結する。

4.2.3. 解凍手順
i) 恒温槽を40℃に設定し、培地を氷水で冷やしておく。
ii) クライオチューブを速やかに恒温槽へ入れ、手でよくチューブを振る(下図 12)。 クライオチューブ内の氷晶が完全に消える寸前に氷水へ移す。

iii) クリーンベンチで、直ちにチューブ内の細胞懸濁液を50mL遠心管に移し、氷水で冷やした新しい培地40mLを加え、静置する。
iv) 上澄み液をピペットで完全に取り除く。
v) 再び新しい培地を40mL加え、静置し、上澄み液をピペットで完全に取り除く。
vi) 藻体を新しい液体培地の入った三角フラスコに移し、通常の培養条件で培養する。

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