1. 藻体の状態・特性

Q. 保存株の毒性について教えてください。

A. 保存株の毒性については調べておりません。毒性に関する情報は、寄託者や論文報告に基づいたものです。


Q. カビ臭のするアオコが欲しいです。

A. 選定については当施設までご連絡ください。


Q. 培養株の細胞密度を知りたい。

A. 細胞密度は計測しておりません。増殖のよい試験管を選んでお送りしています。


Q. 保存株情報の培養条件で培養した場合、細胞数が最大になるのは何日後でしょうか。

A. 増殖曲線を計測しておりませんのでわかりません。


Q. 珪藻の形態が変形しています。

A. 長年の継代培養中に、形態が変化する可能性があります。現在の形態についてはお問い合わせください。


Q. 円石藻は円石を形成していますか。

A. 長年の継代培養中に、円石を形成しない細胞ステージに入ることがあります。円石を形成している株が必要な場合はご相談ください。


Q. 遊泳するはずの細胞が泳いでいません。

A. 当施設では植え継ぎ期間を長く設定するため、一部の培養株は寒天または軟寒天培地で培養しています。このような培養株の中には、液体培地で培養されている場合と細胞の状態が異なることがありますが、液体培地に戻して培養することで、遊泳性の細胞に戻すことが可能です。
例)軟寒天培地のユーグレナ、寒天培地のクラミドモナス


Q. 群体を作っていないようです。

A. 長年の継代培養中に、群体が形成されなくなる可能性があります。群体を形成している株が必要な場合はご相談ください。
例)ウログレナ、ミクロキスティス、イカダモ


Q. アナベナの糸状体が短く、ヘテロシストがありません。

A. 長年の継代培養中に、形態が変化する可能性があります。特にアナベナは、培養環境の影響でヘテロシストがみられないことがあり、さらに糸状体が短くなる場合があります。

2. 保存株情報

Q. 継代培養と凍結保存とは何が違うのですか。

A. 継代培養保存とは、定期的に培養株を新しい培地へ植え継いで保存する方法です。凍結保存は、培養株を生きたまま-196度の液体窒素中で凍らせて保存する方法です。 凍結保存については、6. 凍結保存株 または 4-3.凍結保存株の分譲について をご参照ください。


Q. (前培養条件)とは何ですか。

A. 当施設では植え継ぎ間隔を長くするために培養条件を二段階に分けて培養している株があります。 括弧で前培養条件が書かれている株は、新しい培地に植え継いだ後、良好な増殖が目視で確認できるまで 括弧内の前培養条件(細胞増殖を促進するための培養条件)下で培養し、 次に括弧外の培養条件(細胞増殖がゆるやかな培養条件)下で培養しています。


Q. 属名・種名が引用符で囲まれているのはどういう意味ですか。

A. 属あるいは種における多系統性が指摘されているにもかかわらず、新属の設立等の分類学的措置が行われていない場合(例えばクロレラ属等)、属名または種名を引用符で囲んでいます。
例)'Chlorella ' saccharophila'Chlorella ellipsoidea '


Q.アナベナ属で、種名の後に * がついているのはどういう意味ですか。

A. 種名の後に * がついている株は、アキネートの位置や形態の観察なしに同定された種名であることを示しています。


Q.不安定とはどういう意味ですか。

A. 4-2.不安定な株の分譲について をご参照ください。


Q.ネオタイプ、エピタイプと表記されている株はどういった株でしょうか。

A. 記載論文中でネオタイプまたはエピタイプに指定された図または標本の元となった株です。

3. 保存株の検索

Q. どの株を選べばよいのでしょうか。

A. 株の選定につきましては、依頼者ご本人に選定していただくのが望ましいと考えております。 対象となる生物種のどの種類がより増殖が速く、取り扱いが容易か、また一つの種で複数の株がある場合には、どの株がより増殖が速いかといった情報についてはご提供することができます。


Q. 以前分譲していただいた株が見つかりません。

A. (ア)学名が変更されている可能性があります。その場合、株番号は維持されていますので株番号で検索してください。株番号が不明の場合は、全文検索へ学名を入力して検索してください。(イ)死滅または生育不良で分譲を見合わせている場合がありますのでお問い合わせください。

4. 注文

Q. 培養株を利用し、製品開発を行うことは可能ですか。

A. メールにてご相談ください。


Q. 培地やメタル溶液を希釈や滅菌する必要はありますか。

A. 培地及びメタル溶液は希釈する必要はありません。培地はすでに滅菌されています。メタル溶液は滅菌されていません。


Q. オンライン注文がエラーのためできません。

A. オンライン注文ができない場合は、 オンライン以外の注文方法 にてご依頼ください。 お困りの場合は連絡先までご連絡ください。


Q. オンライン注文後の自動受付メールが届きません。

A. 入力された電子メールアドレスをご確認ください。ご入力アドレスに誤りがある場合、自動返信機能が働かず、注文受付メールをお送りできない場合がございます。確認メールが届かない場合は、連絡先 へご連絡ください。


Q. 押印に電子印鑑を使えますか。

A. 電子印鑑には対応しておりません。重要な契約書類となりますので、シャチハタなどの浸透印やゴム印はご遠慮ください。印影が不明瞭な場合は、微生物株分譲・培地提供依頼書兼同意書の再送をお願いする場合がございます。


Q. PDF編集ソフトで署名してもよいですか。

A. 微生物株分譲・培地提供依頼書兼同意書を1通印刷後、自署による署名を行ってください。手書きであっても電子サインの場合は自署としてお受けできません。


Q. 郵送した「微生物株分譲・培地提供依頼書兼同意書」2通は届いていますか。

A. 書類に不備がある場合はこちらからご連絡いたします。


Q. 納期を教えてほしい。

A. 当施設までご連絡ください。 株の状態により、納期が遅くなる場合がございます。


Q. 郵送料を教えてほしい。

A. 提供物は通常、ゆうパック(培養株は 60サイズ、培地等は 80サイズ~)にて発送いたします。下記の表をご参照ください。依頼内容によっては、送料が変わる場合がございます。

茨城県内 北海道 東北、関東、信越、北陸、東海 近畿 中国、四国 九州 沖縄
60サイズ 728 円 1,168 円 782 円 871 円 990 円 1,168 円 1,214 円
80サイズ 926 円 1,376 円 990 円 1,079 円 1,178 円 1,376 円 1,465 円

5. 発送

Q. なまものシールが貼られているにもかかわらず、チルドゆうパックではないのはなぜですか。

A. 培養株は低温(チルド)で輸送すると状態が悪くなる可能性があります。外気温が23度を超える場合に保冷剤を入れていますが、これは輸送中の箱内の温度上昇を防ぐためです。 株をお受け取りになりましたら、速やかに株を指定された培養条件においてください。


Q. 発送を追跡できますか。

A. 発送日にメールにてゆうパックの追跡番号をお知らせします。


Q. 寒天培地の株を注文したが、液体培地の株が届いたのはなぜですか。

A. 通常寒天培地で保存されている株であっても、凍結保存は液体培地で行われるため、解凍後の培養株は液体培地に植え込んだ状態で発送いたします。寒天培地に植え込んだ株をご希望の場合は別途ご連絡ください(更に時間を要することになります)。


Q. 直接、培養株を受け取りに行きたいのですが。

A. 準備の都合がございますので事前にご連絡ください。近郊のお客様の場合は試験管立てをご持参ください。

6. 見積・納品・請求・領収書、支払

Q. 見積・納品・請求書は送ってもらえますか。

A. 見積・納品・請求書の3点セットは提供物発送後、およそ2週間以内に別途郵送されます。1ヶ月を過ぎても届かない場合はご連絡ください。 なお、提供物の納品時に見積・納品・請求書が必要な場合は事前にご連絡ください。


Q. 事前の見積書を作成してもらえますか。

A. ご対応しております。注文する株番号および株数、培地名およびユニット数と研究目的を事前に確認させていただきたいので、オンライン注文(※)を行ってください。その際、注文内容ページの「株及び培地についての要望・問い合わせ」欄に事前の見積書が必要なことを明記してください(郵送料を見積書に含める場合もその旨をお知らせください)。なお、事前の見積書発行は基本的にFAXまたはPDFファイルでのご送付となります。
※オンライン注文は仮注文であり、株の分譲及び培地の提供には 微生物株分譲・培地提供依頼書兼同意書の送付が必要です。


Q. 領収書を発行していただけますか。

A. ご連絡いただければ対応可能です。入金確認後に発行するため、発行までに2週間ほどかかる場合があります。外国からのご注文でクレジット決済をご利用の場合は、入金完了後の領収書発行となるため、2か月以上かかる場合がございます。


Q. 培養株の送り先と請求先が異なる場合でも対応していただけますか。

A. 提供物の送り先と請求先が異なる場合、オンライン注文では依頼者情報入力の「請求先が異なる場合」にチェックを入れ、ご希望情報詳細をご記入ください。もしくはPDFファイルまたはワード書式のダウンロード・ご記入によるご注文では請求先の欄にご記入ください。


Q. いつまでに支払えばいいのですか。

A. お支払は請求書が届いてから2ヶ月以内にご入金ください。ご入金が遅れる場合は別途ご連絡ください。


Q. クレジットでの支払いは可能ですか。

A. 銀行振込のみとさせて頂いております。ただし、外国からのご注文については、クレジット決済が可能です。

7. 再分譲

Q. 株を植え継いでから1ヶ月経ちましたが、細胞が増えてこないので再分譲をお願いします。

A. 再分譲は到着時の細胞の状態が不良である場合に限って行っています。培養株の到着後にすみやかに顕微鏡で細胞の状態をご確認ください。培養株のお受け取り後、1週間以上経過した場合、再分譲をお受けできない場合がございます。


Q. 到着直後の無菌株にバクテリアが混入していました。

A. 発送前に確認をしておりますが、稀に混入が起こってしまう場合があります。すぐに本施設までご連絡ください。再送にあたっては、無菌化処理終了までお待ちいただくか、NIES番号が異なる同じ種類の無菌株をお送りいたします。

8. 培養

Q. 初めて藻類を扱いますが、気を付けるべき点はありますか。

A.「微生物株取り扱いについて(初心者用)」を準備しておりますのでご覧ください。


Q. 培養に用いている光源の種類について教えてください。

A. 昼光色蛍光灯とLED照明を使用しています。紫外線ランプを通常の培養に使用しないでください。本施設での試験管と光源との距離は約30cmです。なお、光の強さなどの条件はそれぞれの保存株情報をご参照ください。


Q. LEDでも生育しますか。

A. 生育します。LEDは蛍光灯よりも早く増殖し、蛍光灯よりも光量が強い可能性がありますのでご注意ください。


Q. 保存株情報の光強度が暗いようですが。

A. 植え継ぎ間隔をなるべく長くするために光強度や温度を低く設定しています。速く増殖させたい場合は必要に応じて上げてください。


Q. 光の強さはどのように測定していますか。

A. 当施設では光量子計(MQ-200 Quantum Separate Sensor with Handheld Meter)を使って、培地の液面にて測定しています。 他の機器で測定する場合は測定値に差が生じる場合があります。光量子量と照度については、以下の対応表をご参照ください。

Quantameter Illuminometer
当施設で使っている測定器
左:光量子計(MQ-200_Quantum_Separate Sensor_with_Handheld_Meter)
右:照度計(CUSTOM_AHLT-100)

光量子量と照度の対応表(測定場所は液面の高さ)

20W昼光色蛍光灯を測定
光量子量(µmol photons/m²/sec)
1 10 20 30 40
照度(Lux) 60 500 1150 1600 2300

長広型LED照明を測定
光量子量(µmol photons/m²/sec)
1 10 20 30 40
照度(Lux) 検出限界以下 600 1200 1600 2000


Q. 液体培地の株はどのくらいの量を植え込めばよいのでしょうか。

A. 生物種によって植え込む量は異なります。パスツールピペットを使用した場合、培地10 mLに対して、大きい細胞や増殖が遅い株では2~3滴、増殖が速い株では半滴以下になります。藻類株を扱うのに慣れていない場合は、培地10 mLに対して、よく増殖した細胞懸濁液を最低5滴植え込んでください。


Q. チップを使って液体培地の株を植え込んでもよいでしょうか。

A. チップの先は細く、また急激に細胞懸濁液を吸い取るため、綿栓をしたパスツールピペットをお勧めします。ミカヅキモやボルボックスのような大きな細胞はパスツールピペットでも吸い取れない場合があります。その場合、チップの先を切ったり、先の太いスポイトなどを使用します。


Q. 液体培地の株を寒天培地に植え込みたいのですが、どのくらいの量を植え込めばよいでしょうか。

A. 寒天培地の表面積や生物種によって植え込む量は異なります。例えば、1本目には50 µL、2本目には100 µLのように植え込む量を変えて何本かに植え込み、適当な植え込み量をご検討ください。


Q. 寒天培地の株を液体培地で増やすことはできますか。

A. 寒天培地で培養している株が必ず液体培地で生えてくるとは限りません。 しかし、当施設では植え継ぎ間隔を長くするために寒天培地に植えている場合があるので、その場合は液体培地でも培養することができます。


Q. 継代培養周期の間隔で植え継がないといけないのでしょうか。

A. 指定された継代培養周期は保存株情報の培養条件で培養した場合、良好な生育状態で培養株を継代するための目安です。 株の生育状態や植え継いだ細胞量によって継代培養周期は変わってきます。弱った細胞を植え継ぐと細胞が増殖しないことがありますので、 目視または検鏡によって細胞の状態を確認しながら植え継ぐ時期をご判断ください。


Q. 大量培養の方法を教えてください。

A. 培養スケールを大きくする場合は、段階的に容量を増やしてください。例えば、培養株1本の半分量を50 mLの培地(1本)へ植え込み、次はさらに容量の大きい容器(100 mLの培地、2本~)に植え込みます。 大量培養に失敗する場合もありますので、一部は試験管等で継代培養することをお勧めします。


Q. エアレーションの空気は二酸化炭素がよいでしょうか。

A. 普通の空気または二酸化炭素で行います。コンタミを防ぐためにフィルターをご使用ください。


Q. 静置培養は可能ですか。

A. 当施設の培養株はすべて静置培養です。培養株によっては、通気培養や振とう培養を行うと増殖が速まるものがあります。

9. 培地作製

Q. 海産や汽水産の培地は、天然海水で作製していますか。

A. 当施設では天然海水を使用しています。天然海水が入手困難な場合は、人工海水での代用が可能かと思われます。


Q. 硫酸第一鉄 FeSO4 7H2O など溶けにくい試薬があります。

A. 水に溶けにくいため、当施設ではホットプレートで温めて溶解しています。


Q. Fe-citrateは何ですか。

A. クエン酸第二鉄 Iron(II)citrate FeC6H5O7 nH2O です。


Q. Hutner's trace elementsを作っていると色が変わるのですが。

A. 全ての成分を混合後、KOHでpH調整(pH6.5~6.8)しますと、白濁していた溶液は徐々に透明になります。 さらにこの溶液は、冷蔵庫内での静置保存中に深緑色からワインレッド色へと変化しますので、 ワインレッド色になりましたらご使用ください。


Q. ビタミン類はオートクレーブ滅菌後に添加するのでしょうか。

A. 当施設ではオートクレーブ滅菌前にビタミン類も添加しています。オートクレーブ滅菌により、多くのビタミン類は変性すると考えられますが、 当施設で培養している藻類において特に問題は出ておりません。


Q. オートクレーブ滅菌後の培地に析出が起こりました。

A. f/2培地、SOT培地では析出がみられます。SOT培地に生じる沈殿は、徐々に減り約半年経つと見られなくなりますが、沈殿の消えたSOT培地では細胞の増殖が悪くなるため作り変えることをお勧めします。

10. 寄託

Q. 学名が不明な場合でも寄託できますか。

A. 同定できない理由が明瞭な場合(例えば、新規な分類群である等)、あるいは所属を示す18S rDNA等のDNA情報がある場合は受け入れ可能です。


Q. バクテリアがコンタミしていますが寄託できますか。

A. 無菌株が望ましいですが、単藻であれば受け入れ可能です。


Q. 他の藻類がコンタミしていますが寄託できますか。

A. お受けできません。


Q. 寄託株はいつ受け入れていただけますか。

A. 寄託申請はいつでも可能です。ただし、申請後に寄託株の審査がありますので、寄託株の受け入れまでに多少のお時間をいただく場合がございます。


Q. タイプ標本の寄託は可能でしょうか。

A. 可能です。真核藻類のタイプ標本(凍結保存試料)およびシアノバクテリアのタイプ株の寄託を受け付けております。詳細についてはご相談ください。

11. その他

Q. バイオセーフティーレベルについて教えてください。

A. バイオセーフティーレベルの規定はございません。藻類の病原性については詳しい研究がおこなわれていないのが現状です。


Q. ウェブサイトに掲載されている写真を使用したいのですが。

A. [ウェブサイト上の情報・写真・図表の利用について]をご参照ください。


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